2月の春季キャンプで、指導者2年目の巨人・阿部慎之助2軍監督(41)に若手の指導について聞いた。選手の自主性も大事にする青年監督は「最近は見よう見まねしている子が多い」と話していた。動画サイトやSNSなどで野球を研究しやすいこの時世、安易に取り入れることに警鐘を鳴らしたのだ。
阿部監督の“モノマネ注意報”には、多くのプロも手本とするパドレスのダルビッシュ有投手(34)が自身のツイッターで記事を引用して反応し、「ただのモノマネ状態の選手はアメリカにも結構います。(中略)短絡的な考えでは当たり前ですがなかなか成功しません」と同調した。自分のプレースタイルや体格に合っているか、どんな意識でやっているかなどを理解した上で取り入れるべきということだった。
阿部監督が例として挙げたのが「フライボール革命」。近年、世界最高峰の大リーグで、打者の傾向によって極端な内野守備シフトを敷く作戦が生まれた。内野手4人のうち3人が片方向に陣取るなどの守備位置で、強いゴロも外野に抜けない。打者は内野の頭を越す打球を放てば安打になる確率が上がると考え、対抗策として打球に角度をつけるようになった。その方が打率が上がることがデータでも実証され、本塁打も出やすくなることもあって流行した。
阿部監督はその理論を正しいとしながらも、「メジャーのトップクラスの選手たちが、グラウンダー(ゴロの打球)をなくして打球を上げた方が点が入るという話。アッパースイングにしろってことではないと思うし、そういう打者が必ずしもアッパーなわけじゃない」との持論も展開していた。
メジャーの新潮流はプロ野球に輸入され、アマチュア野球にも流れた。今では少年野球でもフライを上げるためのアッパースイングを取り入れる子供や、そう教える指導者も増えていると聞く。少年野球ではデータに基づく極端な内野守備シフトはない。打球に角度をつける打ち方以前に、まずは基本を身につけようという選手も多いだろう。本塁打も増えるが、三振も増える「フライボール革命」の考え方は、高いレベルの野球でなければ有効ではないと思う。
フライボール革命の話に限らず、「基本を身につけたり、体ができたりしてから試した方がいいこともある。根拠を理解した上でやらないと」と阿部監督は自軍の若手に求めていた。巨人の選手のみならず、アマチュア野球でプレー、指導する人々にも生きるメッセージだと感じた。
ダルビッシュも絶賛
引用元: https://swallow.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1616051189/