巨人監督の宿命とは…今季あの1戦の”非情な交代劇”にみる原辰徳監督の決断の背景「勝利と育成。一石二鳥はあり得ない」
「勝利と育成。一石二鳥はあり得ない。そのことを改めて痛感したシーズンでした」
2022年10月2日。
横浜スタジアムで今季最終戦を終えた直後、巨人・原辰徳監督と交わしたLINEの中の言葉である。
坂本勇「おろすならおろすで早い方がいいやろ? 早ければ早い方が」
坂本って割と真面目に原の後継者だわ
1番育てたのこいつかもしれんな
今は戦力が足りないから……
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選手は育てるものではなく、育ってくるもの
もしあの場面で高橋を続投させていれば、そこから立ち直った左腕はわずか1勝というようなシーズンでは終わらなかったかもしれない。ただ、もしあの試合に勝っていれば、その後のペナントレースの流れは少し違うものになっていた可能性だってあったはずだ。
そのための最善策という選択であり、同時に言えるのは巨人の宿命は「勝利」だということである。
優勝を逃せば、勝たなければ、ファンは絶対に納得しない。若手を育成するために勝ち負けには目を瞑ってという意見もあるかもしれないが、それができないのもまた巨人なのである。
もう一つ言えるとしたら、選手とは育てるものではなく、育ってくるものだということだ。そして選手が育ってくる環境とはチームが強いことである。
坂本勇人内野手も岡本和真内野手も、誰かが育てたわけではない。当時のそれなりに戦力が揃った環境の中で彼らは彼らの力で与えられたチャンスをしっかり掴んでいまのポジションを手にしてきた。
高橋もそうだ。
チームがいい状態ならば、あそこは続投だったはずだ。しかしチーム状態が悪い中では、青木をしっかり抑えて、自分の力で5回を投げ切ることでしか、ローテーション投手として成長していく道はないのである。
坂本が今年の中山でも優勝できてそうだよなあの強奪メンバーなら
オガラミがいたからこそ坂本固定できたってのはあるけど
さすがに2年目の中山と2年目の坂本ではレベルが違い過ぎる
今年は山本一輝みたいなファームで結果出さなかった奴まで1軍にあげる総動員体制やったけど
育成方針と守備位置の関係でファーム固定されてたのは秋広くらい
あれがいろんなポジションで出来るようになれば強くなる
引用元: https://nova.5ch.net/test/read.cgi/livegalileo/1671974310/
勝利と育成ーー監督の仕事とは
22年の巨人の若手を振り返ると大勢投手は自分の力でクローザーというポジションを手にした。山﨑伊織、赤星優志、堀田賢慎と開幕直後に先発を任された3人の若手は、最終的には山﨑は先発として、赤星も中継ぎとして自分でポジションを掴んだ。
野手では増田陸内野手が持ち前の思い切りの良さをアピールして1軍に定着するところまではきた。ただ期待された松原聖弥外野手はいいところなく目の前にぶら下がっていたレギュラーポジションを逃してしまうシーズンとなった。坂本の離脱でチャンスをもらった中山礼都内野手も、まだまだパワーとスタミナ不足で1軍レベルでないことは本人が一番分かっているだろう。
23年はこれらの若手に左腕の井上温大投手や秋広優人内野手、ドラフト2位の萩尾匡也外野手(慶大)らがどう絡んで、自分の力で1軍に爪痕を残せるか。力があればチャンスはもらえる。ただそこでどう自分の道を切り開けるかは、本人が自力で首脳陣にどれだけアピールできるかしかない。
それが巨人における育成の道なのである。
そのための監督の仕事とは勝つことだ。勝って若手を使える環境を作ることなのである。